アゼライン酸は日本では化粧品成分という位置付けですが、世界約80カ国ではニキビや酒さに対する医薬品として使用されている成分です。小麦やライ麦、大麦などの穀類や酵母に含まれている、日常的に食事などで口にしている天然由来の酸です。

当初アゼライン酸はメラニンの生成を抑える効果から、海外で美白目的の塗り薬として開発が始まりました。しかし、その臨床試験中に偶然にも美白とともにニキビへの効果が認められました。その後、アゼライン酸のニキビに対する作用として、毛穴のつまりを取り除く、皮脂の分泌を抑える、アクネ菌を殺菌する、活性酸素を抑え炎症の悪化を防ぐ、などがわかり、欧米のニキビ治療ガイドラインでも、ニキビ治療においてアゼライン酸はビタミンA類の医薬品に次いで推奨されています。

メラニン生成を抑制する作用、美白効果や皮脂分泌抑制効果も有することから、ニキビが治った後の気になる黒ずみへの効果や、肝斑、シミ、毛穴ケアにも有効といわれています。

実際、肝斑において20％のアゼライン酸が4％のハイドロキノンと同程度の改善効果を認めたとの報告もあります。

また、抗炎症作用では酒さの改善効果も報告されています。酒さの場合、ステロイドの外用薬を長期に使うことで毛細血管の拡張など、より症状が悪化してしまうことがありますが、アゼライン酸はそういった問題がなく安心して使えます。

アゼライン酸はビタミンA類の医薬品(デュアック、ベピオ、ディフェリンなど)に比べ皮膚への刺激が少ないことから、刺激が苦手な方や妊娠中・妊娠の可能性のある方、授乳中の方にもお使いいただけるアイテムとして選択されています。

使い始めは痒みやピリピリ感が出ますが、継続使用することで次第に感じなくなってくることがほとんどです。

当院ではロート製薬DRxのAZAクリア(アゼライン酸20％配合、クリニック専売)を取り扱っております。保険適応外にはなりますが、15g 2,000円(税込)で販売しておりますので、気になる方はスタッフへお声がけください。